Last Updated: 2024年2月1日
多分このタイトルで何の事か分かる人は少ないと思うので、どういうわけかこのBlogに迷い込んできた人のために書いておきますと、この数字「1123-6536−5321」はSFドラマ「Battlestar GALACTICA」の最後かつ最大の伏線回収に使われました。
つまりここでは最大級のネタバレ(およびコレに繋がる別のネタバレ)を扱っているので、もしGALACTICAを見てない方でしたらその覚悟で読んで頂くか、GALACTICAを全編見終わってから御覧ください。見てからの方が絶対楽しめるので、よければ御覧いただいた後にお読みください。
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なぜこの数字か
さてこの数字は物語の最後の最後に出てきますが、なぜこの数字なのか?
ネットでは答えがでていますが、この数字と答えにたどり着くまでについて、分かる範囲でもう少し詳しく書いていこうと思います。
ここから先はネタバレを含みます。
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まずざっくりと答えを書きますと「メロディをある法則で数字に直した」結果こうなります。
劇中ではカーラが複雑な計算式を使って謎を解こうとしていますが、実はもっとシンプルです。
まずあのメロディを楽譜に直すとこうなります。
これに数字を当てはめていくだけなんですが、どれにどの数字を付けるのか、また「4」が使われてないのはなぜなんでしょう?
これはメロディのスケール(使われている音階、いわゆる「ドレミファソラシド」のこと)を見ればわかります。そのスケールはこちら。。。分かりにくいので鍵盤もつけますね。
※ドとファ、ソにはシャープ(半音上げる)の指定があるため、こうなります。
音階の構成音の一番下から数字をつけていっています。その数字をメロディに当てはめていくと、最初の1以外の「x123-6536-5321」となります。
答えをみると確かに簡単なんですが、楽曲分析的には最初の音(C#)を1とするのには少し抵抗があり、迷うところです(ややこしい話なので割愛)。
また、残った最初の数値「1」はメロディにはありません。これはただ単にヘラの絵の玉の数がそうなっていただけなのかもしれません。
他の可能性(例えばFTLのシステム上の設定や、このメロディがハッキリと出てきた場所「イオニア星雲」にヒントがあるかも?と思ったが少し無理筋っぽい)もありますが、多分「ヘラの絵がそうなっていた」とするのが一番スマートでしょう。
なにはともあれ、いくつかの可能性の中からカーラがこの数列を選んだのはカーラの感性があってこそかもしれませんし、(ピアニストが導いた後にダメ押しで)神がほんの少し後押ししていたのかもしれません。
ピアニストの正体
カーラがバーに入り浸っていたときに作曲していたピアニスト。彼のおかげでカーラはメロディを導き出し、その結果座標の数値を正確に入力する事ができました。
そのカーラを導いたピアニストの正体は誰でしょうか。
カーラの父の若い頃の姿かな?とも思ったのですが、もう一人可能性がある人物がいます。
それは人型サイロンの一人、No.7「ダニエル」。
ダニエルはカビル(No.1)の計略により遺伝子プールが汚染されたためクローン化に失敗した人物です。劇中ではダニエルについてエレンが「彼は芸術家肌で繊細だった」といっている事から、ダニエルを天使として神が送り込むのもアリだな、と思います。
またGALACTICA Wikiでは一部「ピアニストはダニエルだ」という記述もありますが、父親のビジョンという表記もあり、統一されていないようです。
この曲は?
この曲は劇中では、サミュエルが(彼らの)地球で演奏していたという設定ですが、オリジナルはボブ・ディランの「All Along the Watchtower」という曲で、有名な曲のようですね。歌詞の内容については下のYouTubeで日本語で確認できます。
そしてその曲をGALACTICA用に、例のメロディを追加してアレンジしたのがこちら。
さらに劇中一番最後に流れるのはジミ・ヘンドリックスのバージョンです。
余談
ついでに、GALACTICAで使われている他の楽曲について少し。
パイロット版(第1話)の、ギャラクティカの退役セレモニーでのアクロバット飛行で使われた曲、またシーズン2エピソード8「真実の報道」の、兵士の日常を描いた映像の最後のシーン、そして最終回でギャラクティカが他の船を率いて太陽に向かっていくシーンは全て1978年のオリジナル「宇宙空母ギャラクティカ」のメインテーマのアレンジです。シーズン3だけ流てれないっぽい:)
またシーズン2エピソード15話「傷跡」のラストシーンでは映画「ディア・ハンター」のメインテーマが静かに流れています。
そしてここで取り上げた「All Along the Watchtower」。
意外と既存の曲を使ってるんですねぇ。
以上、GALACTICA最後の伏線、FTLの座標について解説しました。やはりシーズン3ラストの衝撃から始まる、フィナーレに向かっての怒涛の伏線回収は何度見ても見応えがありますね。その中でカーラがメロディを弾いてソウル達が驚くシーンはいつ見てもドキドキ、ニヤニヤしてしまいます:)